【第8話】YZF-R25ついに納車!40歳のおっさん、10年ぶりにバイクへ復帰する。

バイク購入

待ち続けた3週間。

長く感じたその時間も、今日で終わります。

探して、迷って、逃して。

県外のバイクを実車も見ずに購入して。

そして、ひたすら待った3週間。

40歳のおっさんのバイク復活計画。

いよいよ、新しいバイクライフの始まりです。


納車の日がやってきた

待ちに待った納車日。

時間は午後2時頃。

朝から何度時計を見ただろう。

「まだかな。」

「そろそろかな。」

子どもの頃、クリスマスプレゼントを待っていたときのような気持ちだった。

3週間という時間は、本当に長かった。

でも、今日でその時間も終わる。

ついに、自分のYZF-R25がやってくる。


バイクがやってきた

自宅の前は道が狭く、大きなトラックは入れない。

そのため、ドライバーさんが約300メートル先からバイクを押して運んできてくれた。

玄関を開けて外へ出ると――

そこには、青いYZF-R25が静かに待っていた。

「来た……。」

写真では何度も見ていたバイク。

第4話から何台ものYZF-R25を見比べて、悩んで、迷って。

ようやくたどり着いた一台が、本当に目の前にいる。

そして、暑い中バイクを押して運んできてくださったドライバーさん。

本当にご苦労さまでした。

ありがとうございます。

その姿を見ただけで、

「いよいよなんだ。」

という実感が湧いてきた。


やっぱりR25はかっこいい

ついに初対面。

第一印象は――

「やっぱりR25、かっこいい!」

写真では何度も見てきた。

でも、やっぱり実車は違う。

ヤマハブルーの車体。

シャープなフロントマスク。

倒立フォーク。

そしてアクラポビッチのマフラー。

「これが自分のバイクなんだ。」

そう思うだけで、自然と笑顔になっていた。

……と思ったら。

「あれ?」

「なんか……汚れてる?」


黄砂との初対面(笑)

よく見ると、車体がうっすらと汚れている。

するとドライバーさんが、少し申し訳なさそうに事情を説明してくれた。

県外から輸送してくる途中、雨に降られてしまったらしい。

なるほど。

長距離を運ばれてきたバイクだ。

雨にも降られるだろう。

黄砂やホコリだって付くだろう。

ドライバーさんは汚れを気にしている様子だったので、

自分から、

「拭いておきますから、気にしないでください。」

と伝えた。

だって、待ちに待った自分のバイクだ。

むしろ最初に自分の手でキレイにするのも悪くない。

それに――

3週間待ったんだから、多少汚れていたって関係ない(笑)。

ということで、納車されて最初の仕事は、

YZF-R25をキレイにすること。

まさか復活したバイクライフの第一歩が「拭き掃除」になるとは思わなかった。

でも、これも今となっては良い思い出だ。


セルスイッチ、どこだっけ?(笑)

そして、いよいよエンジンをかける。

キーを差し込む。

メーターが光る。

「よし。」

……。

「あれ?」

「セルスイッチ、どこだっけ?」

一瞬、本気で分からなかった(笑)。

10年というブランクは、思っていた以上に長かったらしい。

昔なら何も考えず、体が勝手に動いていたはずなのに。

「あれ?ここじゃないの?」

少し探して――

「あ、これか。」

すぐに発見。

自分でもちょっと笑ってしまった。

セルを押す。

キュルル……。

「ブォン。」

久しぶりに聞くバイクのエンジン音。

「あぁ……。」

やっぱり、この音だ。

この瞬間、一気に記憶が戻ってきた気がした。


バイクライフ、再スタート

エンジンが温まったところで、ゆっくりまたがる。

両足を地面につける。

ハンドルを握る。

クラッチレバーに手をかける。

そして、ふと思った。

「あぁ、バイクライフのリスタートだわ。」

20代の頃には、当たり前だった景色。

バイクにまたがって。

エンジンをかけて。

クラッチを握る。

あの頃は、これが特別なことだなんて思っていなかった。

でも、一度バイクから離れてみると分かる。

またこうしてバイクに乗れることが、こんなに嬉しいとは思わなかった。

40歳になっても、もう一度スタートできる。

そんなことを教えてくれた瞬間だった。


10年ぶりの公道

いよいよ走り出す。

最初に向かったのは、自宅の周り。

まずは軽く一周して感覚を確かめることにした。

そして、そのままガソリンスタンドへ。

久しぶりのクラッチ操作。

久しぶりの交差点。

久しぶりの信号待ち。

そして何より――

カーブが怖い(笑)。

「こんなに倒して曲がってたっけ?」

20代の頃なら何も考えずに走っていたようなカーブでも、今は慎重に、慎重に。

さらに信号待ちでは、

ニュートラルに入れるのにも一苦労。

「あれ?」

「入らない。」

カチャ。

「あ、入った。」

完全に初心者へ逆戻り(笑)。

10年という時間は、体が覚えていた感覚を少しずつ忘れさせていた。

でも、不思議と怖いだけではなかった。

そんなぎこちなささえ楽しかった。

「あぁ、俺、本当にまたバイクに乗ってるんだ。」

少しずつ、その実感が強くなっていった。


変わらなかったもの

久しぶりに感じる風。

ヘルメット越しに聞こえるエンジン音。

信号が青に変わって、クラッチをつないだときの感覚。

忘れていたことはたくさんあった。

でも――

バイクに乗る楽しさだけは、変わっていなかった。

そして頭には、20代の頃に使っていたSHOEIのフルフェイス。

第7話でインナーパッドを交換し、久しぶりに引っ張り出した思い出のヘルメットだ。

昔使っていたものを身につけて、再びバイクにまたがる。

それだけで、少しだけ20代の自分に戻ったような気がした。

もちろん、長期間使用したヘルメットについては状態や安全性をきちんと確認する必要がある。

今後の装備についても、少しずつ見直していこうと思う。

昔の思い出は大切にしながら。

今の自分に合ったバイクライフを作っていけばいい。


一番うれしかった言葉

家へ戻る。

妻がYZF-R25を見ながら言った。

「意外に大きいね。」

確かに250ccとはいえ、見た目にはかなり存在感がある。

そして娘が、バイクに乗っている自分を見て笑顔で言った。

「パパちゃん、かっこいいー!」

……。

これは嬉しい(笑)。

思わず笑顔になった。

バイクを買って良かった。

もう一度乗ろうと思って良かった。

心の底から、そう思えた。


10年ぶりに、風になった

20代の頃。

バイクに乗っていた自分は、速く走ることばかり考えていた気がする。

でも40歳になった今は、少し違う。

景色を楽しみながら走りたい。

美味しいものを食べに行きたい。

行ったことのない場所へ行ってみたい。

そして何より、

家族との時間も大切にしながら、自分の好きなことも楽しみたい。

そんなバイクライフでいい。

いや。

今の自分には、そんなバイクライフがちょうどいい。

10年前に終わったと思っていた物語。

でも、本当は終わっていなかった。

少し長い休憩をしていただけだったのかもしれない。

そして今日。

40歳のおっさんは、

もう一度バイクにまたがった。

10年ぶりに、風になった。


📝 今回のひと言

「人生に遅すぎるスタートなんてない。40歳でも、もう一度好きなことを始められる。」


第一章 完

40歳のおっさんのバイク復活計画

~バイク購入編~

バイクをもう一度買おうと思った日。

250ccという選択。

何店舗も回った中古バイク探し。

「これだ」と思った車両が翌日に売れてしまったこと。

初めての県外購入。

妻に相談する前に購入を決めてしまったこと(笑)。

そして、人生で一番長く感じた納車待ちの3週間。

いろいろあったけれど――

ようやく、ここまで来ました。

でも。

バイクを買うまでの物語は、ここで終わり。

バイクに乗る物語は、ここから始まります。

ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。

そして――

40歳のおっさんのバイク復活計画は、

まだまだ続きます。


次回予告 ―― 第二章、開幕。

【第9話】10年ぶりのツーリング。40歳のおっさん、最初の目的地で思わぬ洗礼を受ける。

YZF-R25は無事に納車。

ついに始まった、10年ぶりのバイクライフ。

でも――

リターンライダーの本当の試練は、ここからでした。

10年ぶりのワインディング。

久しぶりの長距離。

そして、昔のようには走れない自分。

それでも、やっぱりバイクは楽しい。

第二章「リターンライダー編」、スタートです。


40歳のおっさんのバイク復活計画 第8話 完

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